プロジェクトマネジメント(PM)方式による病院建替え
日揮は、病院建設/病院建替えにおける「ソリューションパートナー」を目指します。
病院は、数多くの異なった要素や機能で構成される複雑な施設であり、人々の命と健康を守る使命のもと、信頼性・安全性が必要不可欠であることに加えて、運営・保守が容易であること、さらには経済性に優れることも求められます。日揮は、数多くの病院・医療施設を建設するなど、病院・医療分野において豊富な経験を有しており、これらの知見を活かして、医療従事者、患者、地域社会などにとって最適なソリューションを提案し、お客様の良きパートナーとして永続的に支持される病院の建設/建替えの実現に向けて挑戦しています。
1エンジニアリング会社、日揮の強み
1独自のプロジェクトマネジメント
日揮グループはこれまで世界80ヵ国にわたって2万件以上のプロジェクト遂行実績があり、そのプロジェクト遂行力は世界でも高く評価されています。病院の建設においても、経営・運営計画、施設の計画/設計/建設、医療機器の導入、情報インフラの構築、環境/防災計画、移転計画など、相互に関連する多くの事柄を一元的に調整・管理し、プロジェクトを遂行します。また、プロジェクトの最初から最後まで一貫した思想で全体を統括することで、総合的なプロジェクトマネジメントを実現し、お客様の理念や目標の実現を目指します。
2幅広いネットワークを活かしたアライアンス力
病院建設プロジェクトを成功に導くためには、医療従事者はもちろんのこと、病院の経営・運営を支える様々な関係者を含めたプロジェクト遂行体制を構築することが非常に重要です。日揮は、豊富な実績で培った、幅広いコミュニケーションネットワークを活用することでお客様のニーズに合わせた協業体制を構築し、関係者のプロジェクト遂行力を最大化させることで、プロジェクトを成功に導きます。
3病院経営・運営の実績
日揮は、病院の設計・建設だけでなく、国内の病院PFI事業のほか、海外でも自ら出資者となって病院を設立し、経営・運営をしています。これらの豊富な実績で培った病院経営・運営ノウハウを活かして、経営支援やコンサルティングに取り組むだけでなく、お客様と同じ「経営者」という目線に立つことで、最適な医療機能を病院の設計・建設にも反映します。
4病院経営・運営を見据えたソリューション提案力
病院の抱える課題は、変化する市場環境への対応、病院機能の再構築、業務効率の向上、施設老朽化対応、人材確保、快適性/利便性の向上、災害対策/BCP対応など多岐にわたります。日揮は、病院の事業継続性の確保を最優先に位置づけ、課題の解決策をお客様と同じ視点で共に考え、実効性あるソリューションを提案します。現実的な収益予測を見据えながら健全な投資計画を立案することで病院建設プロジェクトを成功に導き、地域住民に永続的に支持される病院の実現を目指します。
2プロジェクトマネジメント方式による病院建設/病院建替え
1プロジェクトマネージャーによる統一された管理
分断されがちな病院建設/病院建替えのプロセスを、一人の経験豊富なプロジェクトマネージャーが統一された思想の下にプロジェクトを管理し、コスト、工期、品質の全体最適を図っていくのが、プロジェクトマネジメント方式の特徴です。プロジェクトマネージャーが、基本構想、基本計画づくりから関与し、目指すべき病院の姿を常に念頭においていることから、設計、施工段階においてもブレることなく、計画の実現が図りやすくなります。このやり方により、完成後「こんなはずではなかった。」と言ったお客様のサプライズを極力減らすことが可能となります。
また、お客様にとっても、全ての窓口が一人のプロジェクトマネージャーとなることから、コミュニケーション上の伝達トラブルがなくなり、お客様側の管理や確認のための手間が大幅に削減されることも、大きなメリットとなります。
2全体コストの削減
病院建設/病院建替えプロジェクトの総コストは、基本構想・基本計画の内容によってほぼ決まってしまうと言われています。設計や施工の段階に入ってからのコストダウンは、設計変更の手間や工期の遅れなどから難しく、逆にコストの増加にもなりかねません。
プロジェクトマネジメント方式では、後述の通り基本構想・基本計画に十分な時間をかけ、見かけのデザインではなく必要な機能を重視したバリューエンジニアリング(VE)等の手法により、実現可能性も踏まえた投資コスト削減計画を策定します。ちなみに、多くの場合、経済性検討において投資コストを抑えないと経済性が保てないというケースがほとんどです。予想資金繰り計画が悪化すれば、本プロジェクトのための借入金が返済できない可能性も出てくるということになります。
プロジェクトマネージャーは、常にこのことを念頭におきながら、次の設計段階、工事のためのサブコン選定、施工段階に臨むことになります。具体的には、建設、設備、電気工事など個別業者への分離発注や分離先行発注、クリティカルメソッド方式による工程の最短化(各種許認可取得最適化、杭/鉄骨などの資材の先行発注、仮設の先行工事など)を行うことにより、コストの削減、スケジュールの短縮を図ります。また、追加コストの徹底管理を行い追加コストの発生を最小限に抑え、当初の予想した全体コストから大きな逸脱を防ぎ、本病院建設/病院建替えの事業性の確保に努めます。
3基本構想・基本計画の重視
日揮は、病院建設/病院建替えを成功させるための最も重要なプロセスは、基本構想・基本計画だと考えています。基本構想とは、自院の外部環境/内部環境の状況、将来の希望、敷地や投資金額などの制約条件を踏まえ、自院の将来像を見える化する作業です。一方、基本計画は、基本構想により描いた将来像を実現するために必要な施設体系や手段を具体的に示したマスタープランを作成するものです。その中には、建物の概要、事業工程、事業性、概算投資額などが含まれます。
1基本構想
自院を取り巻く外部環境調査には、地域の医療計画/医療構想、地域の医療機関の状況、医療圏の人口動向/必要病床数、医療圏の疾患別患者数などが含まれ、将来の医療需給状況の把握を行います。
また、内部環境調査には、自院の患者特性、入退院経路、収益などを分析し、主要な経営陣/スタッフへのヒアリング調査も行われます。その結果、自院の強みや弱みが明確となり、新病院に向けての克服すべき課題が見えてきます。
外部環境調査
内部環境調査
2基本計画
基本計画は、自院の目指すべき将来像を実現するために、求められる機能を建築として具現化することです。建築規模を明らかにして概算の投資額を設定します。
具体的には、土地利用、部門配置、電気/空調/給排水/衛生、工事計画などの建築・設備計画と、部門別の運用、人員配置、ICTなどの運営・システム計画を策定します。また、それらを踏まえて、投資計画、資金計画(補助金利用)、収益性分析、ライフサイクルコストなどを検討し、本投資事業の経済性検討を行います。この段階で、いかに実現可能なレベルの抑えた総事業費を算出するかが、病院建設/病院建替えプロジェクトを成功させるための重要なポイントとなります。設計や施工の段階に入ってからのコストダウンは大変困難なのが実情です。